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歯科医だから見える老いのサイン②-フレイルとは

  • 執筆者の写真: 康弘 若菜
    康弘 若菜
  • 6月17日
  • 読了時間: 4分

 健康寿命を延ばし元気で長生きすることは、超高齢化を迎えた社会にとって大事な課題です。平均寿命と健康寿命のお話は、前回の記事で説明させていただきました。健康寿命を延ばすという当サイトの理念をご説明するうえで重要となる、「フレイル」「オーラルフレイル」について解説したいと思います。




目次

<フレイルとは>

<フレイルの特徴や原因とは>

<フレイルの評価>

<フレイルの診断>

<フレイルの対策は>



 

<フレイルとは>

 高齢になり心身が衰えた状態のことをフレイルと呼びます。2014年に日本老年医学会がフレイルという言葉を提唱しました。そして多くの学会でフレイルの予防を呼びかけた努力もあり、現在では社会に広く浸透してきました。

 人間が社会生活を送るうえで、肉体的にも精神的にもさまざまなストレスを受けます。それは高齢になって心身の衰えを感じるようになっても同じこと。老いるという自然の過程で、個人がどのくらい周囲からのストレスに反応し健康を維持することができるかどうか?あるいは過大なストレスに体が対応できず、健康状態が悪化してしまうか?高齢になるほど、ストレスを制御して、体の抵抗力を高める努力をしなければなりません。

 若い時には大丈夫だと思っていたことが、年齢が進むにつれ無理を感じることが少なくないと思います。そういった対応を考えることこそ、フレイルを未然に防ぐ考え方です。


<フレイルの特徴や原因とは>

 日本老年医学会では、フレイルを健康な状態と介護が必要となるより悪化した状態との中間段階に位置付けています。フレイルはある程度自立した生活を送ることができ、健康な状態に回復することができる段階と言われています。

 フレイルの症状は多岐にわたり、「筋力が低下して転びやすくなった」「体重が減少して疲れやすい」など身体的特徴だけでなく、「物忘れが多くなった」「気分が落ち込んでやる気がでない」など認知・心理あるいは精神的な特徴も含んでいます。

 フレイルは症状に応じてさまざまな原因が考えられます。加齢や疾患による運動の減少や筋肉量の減少、低栄養が続いた場合にフレイルは進行します。さらにこれらが生活行動の中で悪循環に陥ることをフレイルサイクル、とくに骨格筋量の減少および筋力の低下をサルコペニアと呼ばれています。サルコペニアとは、筋肉の減少に焦点をあてた概念です。

 生活行動を見直して積極的に栄養や運動療法を取り入れることが、フレイルサイクルを断ち切り健常な状態に戻す対策の一つです。

 

<フレイルの評価>

 一般的には、代表的な基準として知られる「フリードの基準」を評価に用い、以下の5項目のうち3つ以上あてはまる場合をフレイル、1または2つあてはまる場合はプレフレイル(前段階)とされます。この基準に加え国内では、基本チェックリストを評価に組み込んだ日本版CHS基準(J-CHS)が評価に用いられています。

1.体重減少

2.倦怠感(疲れやすさ)

3.活動性低下

4.筋力低下

5.歩行速度低下


<フレイルの診断>

 フレイルは身体面だけでなく精神的あるいは社会的な側面から、総合的に診断する必要があります。身体的には筋力測定(握力)、歩行速度、体重の変化や体組成の変化などから診断されます。認知機能やうつ症状等の精神症状、さらには家庭環境や地域との接点など社会活動の面からも診断を行います。そのため多職種にわたる情報共有が必要になることが多いです。


<フレイルの対策は>

 先に記述しました、悪循環をもたらすフレイルサイクルを断ち切ることが、その対策となります。

1.適度な運動を行う

2.栄養指導や服薬指導

3.積極的な社会参加の推進

4.いわゆる生活習慣病の治療

5.定期健診

 具体的な対策はこれから当ブログにて、ご報告させていただきます。フレイルに至る過程をご理解いただきまして、ぜひフレイルの改善や予防に役立てていただければ幸いです。


 次回へ続く

 




 
 
 

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