歯科医だから見える老いのサイン③ーオーラルフレイル
- 康弘 若菜

- 6月19日
- 読了時間: 3分
口腔の病気は全身の病気の原因となることが、近年の多方面からの基礎研究で分かってきました。う蝕や歯周病といった口腔の感染源が、顎骨あるいは周囲の組織へ波及して全身の感染症を引き起こしたり、歯周病と糖尿病の悪化原因は相互に関連していたり、口内の汚染が誤嚥性肺炎を引き起こしたり、乳幼児期から高齢期に至るまで口腔管理の重要性が求められます。
高齢者のフレイルの原因として、口腔機能の低下が強く結びついていることが分かってきました。オーラルフレイルは進行すると、回復が困難となる口腔機能の低下を生じます。全身のフレイルを予防したり進行を止めるため、相互に関連するオーラルフレイルを予防し口腔機能を回復維持する必要があります。

目次
<オーラルフレイルとは>
◇オーラルフレイルの概念図
◇オーラルフレイルの定義
◇オーラルフレイルの趣旨
<オーラルフレイルとは>
高齢になりさまざまな体の機能が衰えてくる中で、口の機能の衰えについても例外ではありません。「咬みにくくなった」「食べこぼしが増えた」「むせる」「滑舌が悪い」などの症状が、年とともに顕著になってきます。これらが重複して起こる口の機能の衰えのことをオーラルフレイルと呼びます。オーラルフレイルは適切に対処すれば改善する可能性があり、医療介護職の方々の積極的な介入が必要です。
日本老年医学会、日本老年歯科医学会、日本サルコペニア・フレイル学会の3学会は、2024年4月に3学会合同ステートメントを公式に発表しました。その一部を以下に記載します。
◇オーラルフレイルの概念
オーラルフレイルは、口の機能の健常な状態(いわゆる健口)と口の機能低下との間にある状態である。
◇オーラルフレイルの定義
オーラルフレイルは、歯の喪失や食べること、話すことに代表されるさまざまな機能の「軽微な衰え」が重複し、口の機能低下の危険性が増加しているが、改善も可能な状態である。
◇本ステートメントの趣旨
表現型モデルであるオーラルフレイルの概念、定義および2つの概念図を用いて、一般に向けて「口腔に関するさまざまな機能の軽微な衰え」に対する警鐘を早期から鳴らし、国民啓発を推進したい。


3学会合同ステートメントではセルフチェックシート(OF-5)が考案されており、高齢者自身や多職種で評価が可能となっています。オーラルフレイルの診断につきましては、改めてご説明したいと思います。

この概念図では、4つのレベルに分けてそれぞれ治療の介入の必要性や多職種に向けて理解されやすいように工夫されています。口腔機能だけでなく社会的な問題まで含めたフレイルへの影響を考慮し、その対応の仕方が記されています。
以下に続く



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