忙しい方のための効率的な文献検索テクニックー1
- 康弘 若菜

- 6月4日
- 読了時間: 4分
ここで記載している文献とは、研究や調査を記した学術雑誌や図書を含めて、文献と統一させていただきます。おもに学術雑誌や学術図書を簡単に検索する方法を、普段お忙しい医療関係者の方々に向けて解説いたします。
<文献の種類とは>
まずは主な文献の種類を記載いたします。
・学会発表をまとめた会議録や報告の抜粋
・学術機関から査読を受け掲載された最新の原著論文
・学術雑誌に掲載されたシステマティックレビューで得られた最新知見
・学術専門書や参考書
とくに最新の考え方が書かれている学術専門書や、各分野のシステマティックレビューで得られた知見は文献としての信頼度いわゆるエビデンスレベルがかなり高く、参考文献として学術論文に引用されやすく、様々な医療行為を行う上での根拠となります。
一概に最新の知見で述べられている内容すべてが、エビデンスレベルの高いものとは言い切れません。ご自身で文献を探すことから始まり、その内容を吟味する必要があります。ぜひこの記事をお読みになり、貴重な文献に出会う一助となれば幸いです。
<文献検索の意義とは>
なぜ文献検索が大事であるのか?その意義とは何か?考えてみましょう。
・学術用語あるいは専門用語を相互に理解する
・知識を深めて臨床手技を行う根拠とする
文献検索の意義とは研究者でなければ、この2点に集約されるのではと考えられます。集約治療が求められる現在、特に多職種で意見交換する医療の現場では、使用する専門用語が理解できなければならない状況が多々あります。もし用語の意味が分からないと、医療を安全にかつ円滑に進めることが難しくなります。
ご自身で研究を開始したり論文を書く場合には、先行研究から方法論を求めたりカットオフ値を決めるなど、基準値を決める際の重要な根拠となるため、エビデンスレベルの高い研究を行う上でより重要視されます。

<文献検索の概論>
文献検索を進めるのにどこからどのように手を付けるべきか?医療を行う中で、普段から疑問に感じたことを、より深く追及する姿勢を持つことが大事です。特に医療においては、経験を積むことも当然大事ですが、経験則だけに頼らず知識に裏付けられた判断力が要求されます。
・問題点や興味のあることを書き出して文章にする
・キーワードを箇条書きに書き出してみる
日ごろから分からないことや疑問点を文章に書き出してみることが、検索効率を高める方法の一つです。その中からキーワードを絞り箇条書きにしてみることが、検索ツールを使いこなす一つの方法です。普段から忙しい職場の中では、すべて書き出すことは難しいかもしれません。帰宅後のわずかな時間でも疑問点の文章による抽出ができれば、自分のスキルが少しでも上達すると考えて、就寝前の数分間だけにノートや手帳に記載してください。
職場では自分所有のスマホや電子端末を持ち歩けないため、ボイスメモ等の記録媒体はあまり意味を持たないかもしれません。自分は常に小型の手帳はポケットに持ち歩いています。とても古い方法だと笑われるかもしれませんが、これが一番手っ取り早い方法だと信じています。皆様も自分なりの記録のとり方を実践してください。
<文献ツール>
具体的な文献検索の方法やツールの紹介は、次回以降に記載させていただきます。ここでは一般論としてツールに入力する項目を記します。
・論文名や著者
・雑誌や図書
・巻・号・頁
図書館で専門的に検索する場合の文献検索の基本はこの3点です。これらが分かれば検索ははるかに有利となります。ただし検索ツールやAIの普及した現在では、少々やっかいだった文献検索がより身近にかつ簡単にできるようになりました。正確性には欠けますが、ブラウザが提供しているgoogle scholarなどを利用し、アブストラクトから興味のある論文を引き出したりすることも利用方法の一つです。
<学術団体や製薬会社の会員サイト>
食品関連会社や製薬会社が提供しているサイトでは、多くの場合に最新論文から抜粋されたまとめ記事や引用元が掲載されています。また学術団体などは、ガイドラインやポジションペーパーなど診断や治療に必要な知見が、無料で閲覧できるようになっています。
ぜひこういった関連分野の企業サイトを訪問することもお勧めいたします。次回以降では、文献検索の方法についてより詳しくお伝えする予定です。
次回へ続く



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