地域独自のフレイルチェックシートを作る③
- 康弘 若菜

- 8月6日
- 読了時間: 4分

ここからは質問票の作成について具体的にお話ししたいと思います。和楽健美プロジェクトで実施する事業の対象者は、地元大多喜駅を中心として町内に住む高齢者、同地域を生活圏として大多喜駅から半径20㎞圏内の市町村在住の高齢者としました。
このプロジェクトで使用するチャックシートは対象集団の中で利用しうる、あくまで個人レベルでの使用目的となります。大規模データを集めた研究目的用ではないため、その精度や正確性を厳密に定めたものではありません。しかし同地域の居住者を治療する歯科医師として、日常診療に利用するのに耐えうる程度の精度や正確性を持たせ、地域独自の生活機能のチェックができる質問票として医学的な根拠で裏付けることは大きな意義があることと思います。
<数値化のルール>
・3段階評価 点数が高い方が良好な状態であることを示す
・身体、精神、咀嚼、発音、嚥下、社会参加といった領域ごとにそれぞれ3問づつ配置すること
<合計点と各領域>
・質問のカテゴリーはそれぞれ身体、精神、咀嚼、咀嚼、発音、嚥下、社会参加といった領域ごとに点数をつけて、参加者ごとのフレイル・オーラルフレイルの特徴を見る
・フレイル・オーラルフレイルの簡易的な診断シートとする
<信頼性の検証>
・高齢者に分かりやすい内容となっているか
・質問に明確に答えることができるか
・回答のばらつきが少ないか
・質問領域の間の構造はどうなっているか→因子分析など
・対象者のグルーピングの妥当性→ロジスティック回帰、判別分析など
<フレイル・オーラルフレイルの有無>
・合計点を求めることからカットオフ値を検討する
・フレイルタイプを検討する→階層化(クラスター分析)や因子分析
<分析の意味とは>
・記述統計から対象者の現在の状態を把握する
・年齢、性別、生活環境たとえば独居かどうかなど)
・各領域の間の関係はどうなっているか→身体や精神、口腔機能あるいは社会参加といった領域同志の相関
6領域(身体・精神・咀嚼・発音・嚥下・社会参加)をすべて含めた 「具体的な質問文」 をAIを利用してまとめました。以下に記載します。
🦵 身体の動きに関する質問
歩くときに、ふらついたり転びそうに感じることはあります。
立つ・座る・家の中を移動することは、ゆっくりでもできます。
階段の上り下りは、休みながらでもできます。
💛 気持ち・意欲(精神)に関する質問
気分が落ち込んだり、やる気が出ない日が続くことがあります。
外に出たり、人と話すことが少しおっくうに感じることがあります。
生活の中で「楽しみ」を感じる時間があります。
🍚 咀嚼(かむ力)に関する質問
固いもの(肉・漬物など)がかみにくいと感じることがあります。
食事中に、かみづらくて時間がかかることがあります。
食べ物が口の中でうまくまとまらないことがあります。
🗣 発音(話す力)に関する質問
話すときに、言葉がはっきり出にくいと感じることがあります。
長く話すと、口が疲れたり、声が出しにくくなることがあります。
家族や友人に「聞き返される」ことが増えたと感じます。
🍵 嚥下(飲み込む力)に関する質問
飲み物でむせることがあります。
食べ物が飲み込みにくいと感じることがあります。
食後に「のどに残る感じ」があることがあります。
🤝 社会参加に関する質問(新規追加)
外に出たり、人と会う機会があります。
家族や友人、近所の方と話す機会があります。
地域の行事や集まりに「参加してみようかな」と思える日があります。
🌼 点数のつけ方(3段階で統一)
できる・困らない・ある = 3点
少し困る・ときどきある = 2点
困る・できない・ほとんどない = 1点
※すべて「点数が高いほど良い状態」に統一しています。
質問内容は、従来から調査研究等で国際的にも用いられているGOHAI、EAT-10、厚労省の基本チェックリスト、OHIP-14など健康関連QOLおよび口腔関連QOLを参考として質問内容を独自に作りました。
既存のQOL質問票は研究や大規模調査に用いられ、その尺度を考えることはとても専門的で難解といえます。ここでは、身体のフレイルの特徴と同時に口腔機能の評価も同時に行えることや、地域で活用するためにはフレイルの全体像を把握する必要があることから、このように質問票を作りました。 より実用性を高めるため、今後はこの質問票を試作として統計的な分析を進めながら、質問内容を吟味しつつブラッシュアップをしていこうと考えています。



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