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高齢者に対してフレイル評価は有用か

執筆者の写真: 康弘 若菜
康弘 若菜
8月31日
読了時間: 3分

 高齢者総合機能評価(CGA)に基づく診療・ケアガイドライン2024の中で、高齢者においてフレイル評価は有用か?というクリニカルクエスチョン(CQ)に対する臨床指針が示されていました。国内ではまだ研究実績の少ないフレイルとさまざまな疾患予防について、現在の学会内での考えを取り上げてみたいと思います。



 ステートメントの項目番号CQⅠ-8-1、フレイル評価の有用性について記載がありました。「介護サービスの適正化」「日常生活活動度(ADL)の改善」「併存疾患の管理の適正化」「コスト増加」をアウトカムとしてフレイル評価実施の有無をランダムに割り付けたシステマティックレビューは現在まで実施されていなかったとのことです。


 兵庫県香美町に在住する65歳以上の介護認定を受けていない地域在住高齢者5093人を対象とした後ろ向きコーホート研究の一例が報告されていました。基本チェックリストによるフレイル評価の受診の有無でグルーピングを行い、5年間の新規要介護認定の発生と死亡を観察した結果、評価を受けているグループでは上述したイベントの発生が有意に低かったとのことです。さらに健診の有無についても考察されています。


 フレイル評価の実施の有無ではなく、フレイル評価と予後の関連性については異なる評価法ごとにその妥当性が検証されており、自立度の低下や転倒、QOL、死亡との関連性を示唆する報告も多くみられることから、フレイル評価により予後を推定しそれに基づいた治療方法を選択することの重要性が書かれていました。


ステートメントより一部抜粋

↓ ↓ ↓

 「・・・フレイル評価は、適切な予防・改善対策と連動させることでその有効性を発揮する可能性があるが、それらを高い精度で検証している研究は少ない。今後、研究の正確性、客観性の点で、より高い質の研究が求められる。・・・」

 という記述にあるように、フレイル評価について研究はまださほど多くはありません。今後はより精度の高い研究を重ね、フレイルの早期発見と早期治療につながる大事な知見を積み重ねてほしいと思います。


 結論として、フレイル評価に関する学術論文はさほど多くないためエビデンスはさほど強いとは言えませんが、研究班は高い合意率をもって高齢者のフレイル評価を推奨しています。歯科臨床に携わる一開業医としては、地域の高齢者に対してフレイル評価を健康政策に組み込むことで、


①高齢者個人がフレイルの病態や進行の程度などを日常生活の中で感覚的に知ることができ早期発見につながること

②医療介護施設従事者から行政担当者まで個人のフレイルの進行を把握することができ、さらには病状の程度に集団をグルーピングすることが可能であることから、ターゲットを絞った健康指導の場を提供することができる


などエビデンスを高める努力もさることながら、フレイル評価を行うことには臨床的に大きな意義があることと感じます。

 

 

 
 
 

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