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咀嚼機能の評価方法と高齢者の健康維持

執筆者の写真: 康弘 若菜
康弘 若菜
9月21日
読了時間: 3分

更新日:6 日前

摂食・嚥下機能の重要性


全身のフレイルにつながる摂食・嚥下機能の衰えを考える上で、いわゆる口腔期と呼ばれ、食塊が舌によって口腔から咽頭へ運ばれるまでの一連の運動は咀嚼と呼ばれます。咀嚼には、歯や舌、さらには唾液分泌による消化促進が含まれます。


歯科医師は、歯や口腔内の粘膜に障害をもたらす要因を取り除き、咀嚼、発音、さらには嚥下といった機能を正常範囲に回復させる治療を行います。高齢者のフレイルの進行は生活習慣や栄養状態に大きく左右されます。口腔の機能はその予防に深く関係していることが、研究から明らかになっています。


咀嚼機能の評価方法


咀嚼機能を評価するための基本的な項目を以下に示します。


1. 食品摂取状況


地域での保健・栄養指導や基礎研究、口腔がん切除後の咀嚼能力の判定には、簡易的な調査票が用いられます。国立長寿医療研究センターのサイトでは、食事に関する栄養バランスを調べる調査用紙と評価法がPDF形式で提供されています。非営利目的であればダウンロードが可能です。ぜひご参照ください。


↓ ↓ ↓


2. 咀嚼機能の基本的評価項目


1)開口量

上下中切歯間の距離を記録することで、開口量の推移を調べます。これにより、開口障害の有無や程度がわかり、咀嚼にどの程度影響があるかを類推できます。


2)咬合力

感圧シートや咬合力計を用いて、咬合力を測定します。


3)顎運動

上下顎骨の位置関係や開閉口時の運動経路を測定します。


4)咀嚼筋筋電図

咀嚼筋の筋電図を分析することで、咀嚼時の筋活動のリズムを測定します。


5)その他

レントゲン断層撮影やCT検査により、顎関節の解剖的な問題や運動障害の有無を調べます。腫瘍や外傷の既往、リウマチ疾患などが顎関節の運動障害を引き起こすことがありますので、慎重な問診が必要です。


これらの項目を複合的に調べることで、咀嚼障害の有無や程度を診断できます。歯科医師は、病気や外傷による歯の喪失や顎骨の変形を解剖学的に回復させるだけでなく、機能的にも正常に近づけるための治療を行います。


3. 咀嚼能力の客観的評価


1)アンケート調査

食品摂取状況をアンケートを用いて調査します。これにより、咀嚼能力の変化をある程度客観的に類推できます。歯科補綴学分野の研究では、咀嚼能力をスコア化し、治療後の回復程度を判定する方法が確立されています。


2)試験食品を用いた咀嚼能率測定

食品を実際に咀嚼した後に回収し、定量化する方法や、試験食品から溶出した成分を測定する方法が用いられます。臨床的には、グルコース含有グミを咀嚼後にろ過した液体を分析する方法が利用されています。この方法は、口腔機能低下症の診断に用いられ、保険導入されています。


4. 唾液分泌機能


唾液の分泌量を測定するために、ガムテストやサクソンテストが行われます。ドライマウスやシェーグレン症候群の検査としても利用されます。病気の診断を目的とした専門的な検査法としては、唾液腺造影や唾液腺シンチグラフィー、口唇腺の生検などがあります。


5. 味覚


味覚の評価には、定性試験として専用の味覚検査試薬を用いた濾紙ディスク法、定量試験として測定器を用いた電気味覚検査法が行われます。味覚異常は全身の病的変化や疾患を示すことが多く、血液検査が実施されることがあります。


まとめ


咀嚼機能の評価は、高齢者の健康維持において非常に重要です。適切な評価を行うことで、早期に問題を発見し、適切な治療を行うことができます。私たちの目指す和楽健美プロジェクトは、高齢者の方々が毎日を笑顔で過ごせるよう、一人ひとりの尊厳を大切にしながら健康と活力を支える活動を広げ、地域社会に貢献することを目指しています。

 
 
 

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